不動産取得税
不動産取得税とは
土地や家屋を購入したり、家屋を建築するなどして不動産を取得したときに、登記の有無にかかわらず課税となります。
不動産を取得したときに課税
土地や建物などを取得した時に課税されるのが不動産取得税です。
不動産を購入したり、あるいは交換・贈与によって取得した場合にも課税の対象となります。
さらに、改築して不動産価値が上がった場合も課税の対象となります。
相続は課税されない
相続・法人合併による不動産取得は、原則非課税となります。
ただし、相続には包括遺贈と特定遺贈の2種類の※遺贈があり、特定遺贈の場合は課税の対象となります。
■包括遺贈とは、「財産の3分の1をAに与える」というように、各相続人にたいする遺贈分を全財産の割合で示して行います。
■特定遺贈とは、「○○の土地をBに与える」というように、各相続人に遺贈する財産を特定して行います。
遺贈の種類によって、相続人が課税対象になるかどうかが変わるので気をつけましょう。
※遺言により財産を相続人に無償譲与すること
普通徴収によって納付
不動産所得税は都道府県税で徴収方法は普通徴収となります。
支払うタイミングは、不動産を取得したときではなく、取得後に納税通知書が届いた時になります。
通知書が届くまでに、取得後数ヶ月から1年半ほどの時間がかかり、取得後に不動産所得税を忘れてしまいやすいので注意が必要です。
不動産取得税の計算
不動産取得税の税額は、下記の計算式で算出します。
- 取得した不動産の価格(課税標準額)※1 × 税率※2
※1 平成33年3月31日までに宅地等(宅地及び宅地評価された土地)を取得した場合は、取得した不動産の価格×1/2を課税標準額とします。
※2 税率は以下のとおりです。
取得日 |
土地 |
家屋(住宅) |
家屋(非住宅) |
平成20年4月1日から 平成33年3月31日まで |
3/100 |
4/100 |
免税点とは?
課税標準額が一定の金額未満である場合、不動産取得税は課税されません。
- 土地/10万円
- 家屋【新築・増築・改築】/23万円
- 家屋【その他(売買など)】/12万円
課税標準
課税標準は、土地・建物を買った金額ではなく、固定資産税評価額が対象となり、
税率と同様に、一定の要件を満たす場合に以下の表の通りに軽減されます。
|
課税標準の特例 |
適用要件 |
宅地 |
価格の1/2の額に軽減 |
平成32年3月31日までに取得 |
新築住宅 |
価格から1,200万円を控除 |
■床面積:50m2以上240m2以下
■既存住宅は、一定の耐震基準に適合するものであること |
既存住宅 |
価格から築年数により100万〜1,200万円を控除 |
平成32年3月31日までに取得した宅地については、固定資産税評価額の1/2の金額が課税標準額になります。
この場合、宅地にはマンションの敷地利用権も含まれます。
マンションの敷地利用権とは、一戸建ての住宅の土地の所有権または借地権に相当するものです。
マンションを購入時の価格は、家屋と敷地利用権に分けることができ、後者を宅地の課税標準額として2分の1に軽減することができます。
住宅用土地の税額軽減
先の表の要件を満たす新築住宅・中古住宅と同時取得した敷地について、一定の要件を満たせば、さらに税額の控除を受けることができます。
適用要件は、新築住宅と中古住宅の場合によって異なります。
新築住宅の場合
新築住宅と同時取得した敷地については、以下の要件の1及び2〜4のいずれかに該当する場合、税額の控除が受けられます。
- 同時に取得する新築住宅が、先の表の適用要件を満たす
- 住宅と土地を同時に取得した場合、住宅が新築後1年以内の取得であること
- 土地を先に取得して後で住宅を建てた場合、土地取得後3年以内に住宅を新築すること
- 土地を住宅より後に取得した場合、新築後1年以内に購入した土地であること
中古住宅の場合
中古住宅と同時取得した敷地については、以下の要件のいずれにも該当する場合、税額の控除が受けられます。
- 同時に取得する中古住宅が、先の表の適用要件を満たす
- 中古住宅またはその敷地の一方を取得した前後一年以内にもう一方を取得すること
住宅用土地の控除額
控除額(税額が減額される額)は、次の金額のいずれか多い方になります。
- 45,000円(150万円 × 3%)
- 1.0m2あたりの課税標準額 × 住宅の床面積の2倍(200m2が上限) × 3%
平成30年3月31日までに取得した宅地については、先述の課税標準の特例により2分の1に減額された額が課税標準額となります。
住宅ローン減税
住宅ローン減税とは
- 毎年の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除
- 所得税で控除しきれない分は住民税からも一部控除
- 住宅ローンの借入れを行う個人単位で申請
- 消費税率の引上げにあわせて大幅に拡充
住宅ローン減税制度は、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度です。
毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されます(住宅の取得対価の計算においてはすまい給付金の額は控除されます)。
また、所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。
この住宅ローン減税制度は、平成26年4月からの消費税率の引上げにあわせて、下表のとおり大幅に拡充されています。なお、申請は、住宅ローンを借入れる者が個人単位で申請します。世帯単位ではないことに注意してください。
対象住宅
住宅ローン減税は、新築住宅だけでなく中古住宅も対象となります。
また、増築や一定規模以上の修繕・模様替え、省エネ・バリアフリー改修なども100万円以上の工事費の場合は、住宅ローン減税の対象となります。
ただし、省エネやバリアフリーの場合は、別のリフォーム減税(特定増改築等住宅借入金等特別控除)の方が有利な場合がありますので、よくご確認ください。(リフォーム減税との重複利用はできません。)
住宅ローン減税の対象となる増築、リフォーム工事
- 増改築、建築基準法に規定する大規模な修繕又は大規模の模様替えの工事
- マンションの専有部分の床、階段又は壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事
- 家屋のうち居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関又は廊下の一室の床又は壁の全部について行う修繕・模様替えの工事
- 耐震改修工事(現行耐震基準への適合)
- 一定のバリアフリー改修工事
- 一定の省エネ改修工事
固定資産税
固定資産税とは
固定資産税は、市町村などの地方自治体が賦課する税金で、土地や家屋を所有している人に納税の義務があります。
マンションやアパートを賃貸している場合は、固定資産税の対象になりません。家主が固定資産税を支払うことになります。
また、基本的に固定資産税の計算方法は、固定資産税の評価額に標準税率の1.4%をかけた金額になります。
固定資産税評価額
固定資産税評価額は、国土交通省が定める土地の公的価格や家屋の時価について、大体70%の割合で付けられた金額です。
さらに土地の価格は変動することもあるので、3年に1度、評価額は見直されることになります。
しかし、最終的に固定資産税評価額を決定するのは市町村長などです。
地域によってばらつきがあることは否めません。
標準税率
基本的に、標準税率は1.4%と定められています。
しかし、財政困難などの場合、地域によっては標準税率よりも少し引き上げられることもあります。
土地の計算方法
土地は宅地や畑など項目ごとに計算されますが、宅地用の場合は軽減措置が設けられています。
そのため軽減措置分の金額を引いたものが固定資産税と計上される仕組みです。
宅地用の土地を例に固定資産税の計算方法を見ていきましょう。
宅地の場合小規模住宅用地と一般住宅用地について軽減措置が設けられています。
小規模住宅用地
住宅1戸あたりにおける200㎡以下の部分のことです。
固定資産税の場合、小規模住宅用地にかかる固定資産税額が6分の1に軽減されます。
一般用住宅地
一般用住宅地とは住宅1戸に対する200㎡を超える部分に対する軽減措置です。
ただし上限もあるので注意が必要ですが、ほとんどの場合が一般住宅地内の規模に収まるかと思います。
一般用住宅地における固定資産税の負担は3分の1に軽減されます。
家屋の計算方法
土地と家屋を所有している場合は、家屋も固定資産税が加算されます。
家屋の計算は、土地とは異なり年々劣化していきますから、評価額は年月と共に下がっていく傾向にあります。
家屋の課税標準額は、総務大臣が定めた評価基準によって計算されます。
家屋の評価を行うにあたっての計算方法は、面積の他に、新築で建てた場合の評価額、経過年数を考慮した計算です。
実際の評価額は、固定資産課税台帳に記された金額を元に計算を行います。
一般的な家屋
固定資産課税台帳に記載された課税標準評価額を元に計算を行います。
新築
2016年3月までに建てられた3階建て以上の耐火構造、準耐火構造の建物で、床面積が50㎡以上280㎡の場合、120㎡までの部分について、一定期間税額が2分の1に軽減されます。
120㎡を超える部分は減額されません。軽減される年数は、基本的に新たに固定資産税が課税される年度から3年度分で、3階建て以上の耐火・準耐火建築物は5年度分です。 また、長期優良住宅に認定されている場合は、新たに固定資産税が課税される年度から5年度分で、3階建て以上の耐火・準耐火建築物は7年度分です。